「 抄 」
Sho

「太陽が沈みはじめると、水と空に驚くべき美妙な淡い彩りが現れる。
動きのない濃い紫色の雲が、
のこぎり歯状をしたあい色の山並みの背上部に広がっている。
もやがかった紫は、ほのかな朱色とにぶい金色の中に煙りながら衰え、
まぼろしに紛う緑を経て再び空の青に溶け込む
。
はるか遠くの深い湖水は、いいようもないほのかなすみれ色となり、
松の影差す嫁ヶ島のシルエットは柔和な色の海に浮いているように見える。
しかし、近くの浅い場所は、
水流によって線が描かれたようにくっきりと深みから切り離される。
そして、その線の手前側の湖面は青銅色にきらめく。
古い赤みがかった金銅色を加えて。 すべての微妙な色合いは五分ごとに変わる。
高雅な玉虫色のシルクの色調と陰影のような驚くべき変化と移ろいである。」

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